現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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つくばエクスプレスの運転士が居眠り運転士!乗客気付くも起こさず運転士を撮影

time 2022/07/28

つくばエクスプレスの運転士が居眠り運転士!乗客気付くも起こさず運転士を撮影

7月26日のニュースだったかと思うのですが、つくばエクスプレスの運転士が約20分間居眠り運転をしていたとネット記事にありました。

運転士は23日午前6時45分秋葉原発つくば行き区間快速電車を運転。午前7時17分~38分ごろ、千葉県柏市から茨城県つくば市付近を走行中、眠気に襲われたという。TXは自動列車運転装置で運転されているため、列車の遅延など運行への影響はなかった。
※ネットニュースより

とのことで、自動運転だったそうで大きな事故は無かったみたいです。

私が、このニュースでブログの記事を書いたのはそれを指摘した乗客に関して思ったことがあったからです。

先程のニュースの続きの文章になるのですが

車内の乗客が、運転士の首が傾く様子をスマートフォンで撮影。つくば駅で駅員に動画を見せたうえで「居眠りしているようで怖いです」と申し出ていた。



という事で、乗客が居眠りしていたところを後ろから撮影して、それを駅員に伝えたことで発覚したそうです。

この撮影によって確かに居眠り運転をしていたという事実を鉄道会社は把握することが出来ました。運転士にも当然落ち度はあったと思いますし、危険な事だったと思います。

ただ、「なぜ怖いと思った乗客は運転士を起こさないのか?」と思いました。

確かに居眠り運転の証拠取りは会社に言う時に無いよりはいいことなのですが、自分の身を守るため、そして何より自分自身怖い思いをしたのなら撮影して事後報告するのではなく、乗務員室の窓や扉を叩いたり、非常押しボタンを押すべきだったのでは無いのかな?と思いました。

もちろんいちばん悪いのは運転士ですし、お客様にそこまでさせるのか?と言われればそこまでなのですが、居眠り運転に気づいているにも関わらず起こすことや列車を止める行動をしなかった結果大事故になってしまったら撮影してても事故の瞬間は取れるかもしれませんが、最悪自分が死んでしまったりでもしたら全く意味のなさないものになるわけです。

非常押しボタンは、お客様に列車の異常を見つけた時に押してもらうもので運転士が寝ている状況も異常です。

まあ気持ちはわからなくもないです。私も勤務がキツいとどうしても寝不足になったり、早起きで眠たい時はあります。多分全国のほとんどの鉄道の運転士が経験したことあると思います。

眠くなるような勤務にするべきではないと思うかも知れませんが、運転士が仮に一般の企業で言うところの日勤だけになってしまったら、列車の営業時間は8時半くらいから夕方19時には終了してしまうことになってしまいます。なので運転士は、必ず不規則な生活を強いられることになっているのです。

そう言う状況下でも眠ってしまわないよう個々で努力しているのですが、そんな中でも寝てしまう人も年に何回かはニュースでみます。無呼吸症候群が原因というのも聞きますが、私からしたらそんな病気じゃなくてもウトウトしてしまう状況下はよくあるのではないかなと思います。

今回は、お客様が撮影だけして駅員に言っただけでしたが、たまに起こしもしなかった上にYouTubeなどにアップロードする人もいます。居眠り運転をしない事は当然ですが、常に見られているだけでなく世界に発信されている可能性があると肝に銘じながら私たちは仕事をしていかなければいけないのかなと思いました。



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densei

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