2021/05/29

7月24日のお昼頃、江ノ島電鉄の車両が走行中に4両編成の車両のうち最後部の車両の右後方のドアが開くという事故がありました。この影響で怪我をした人はいなかったそうですが、走行中にドアが開くということは通常ではありえないことであり、最悪死者も出るような重大事故です。国土交通省も重大インシデントとして調査を始めるそうです。

そもそも走行中にドアを開けることは可能なのか?開くような原因はあるのかなどについてや今回の原因で有り得そうなことを紹介しようと思います。
まず、基本的に列車のドアというのは走行中は開きません。車掌が間違えて走行中に車掌スイッチで「開」にしても開きません。
その理由は、ほとんどの列車(旧型の車両には付いていない場合もあり)には「戸閉保安装置」という装置があり、基本的には時速5km以上の速度で走行していた場合に動作し、ドアが車掌スイッチで開かないようにしているからです。


ただし、ドアコックなどを使用した場合は関係なくドアを開くことができます。なお、その場合は列車が非常停止したり、運転士が力行出来なくなどして直ちに列車が止まることになります。
また、戸閉保安装置が付いている車両には、戸閉短絡スイッチ等と言うスイッチがあり、これを「入り」にすると、速度関係なくドアを開くことがあります。
これはドアが故障し、ドアが閉まっているにもかかわらず運転士知らせ灯が点灯しないなどした場合に、回送で列車を動かす際に使用するものですので、通常時は切りが定位となっています。
今回の事故は
鵠沼駅に到着する直前で、ドア1カ所が開いたままホームに入った。約50人の乗客に転落やけがはなかった。 国土交通省や江ノ電によると、4両目のホーム側1カ所の両開き扉の片方が開いていた。同駅に停車後も扉は閉まらなかったため、乗客を1・2両目に移動させて約10分遅れで同駅を発車。終点まで運行した後、車庫に向かったという。
国交省によると、車内外の機器の表示には異常がなかった。
という情報が出ています。
機器の表示に以上がなかったという点から、おそらくドアが開いた時には運転士知らせ灯が消えたはずです。
駅に到着する直前ということや非常停止させるのは危険という判断で運転士があえて表示灯が不点になったと気づいていたがホームに入るまで停車しなかった可能性もあります。
ただ、運転士知らせ灯というのは見た目でドアが閉まっていたとしても、例えばドアコックが開いている状態でドアを完全に閉めても表示はつきません。そう言うことを考えるとかなり前からドアが開きかかっていた可能性もあります。
また、両開きの片側のドアのみという点から見ると、ドアコックが開いた状態で開いたと言うよりは、ドアエンジンの故障の可能性があると思われます。そのため、ドアが閉まらなくなったのでは無いかと思います。
途中駅でお客様を乗せ変えて終点まで走行したとあるのでおそらくこの際には前述の短絡スイッチを使用したのかと思われます。
発車時から開いていた可能性についてはほぼ100%ありえない話だと思いますが、絶対に無いという訳でもないので今後の情報を待ちたいと思います。
