2021/05/29

5月27日午前0時20分頃、和歌山県橋本市にある小田原車検区という列車の車庫で4両編成の列車が脱線したという事故がありました。
南海電鉄公式サイトによると
発生日時
2022年5月27日(金)0時21分ごろ
発生場所
小原田車庫内 (住所:和歌山県橋本市小原田425)
車両番号
30001-30100-30101-30002
状 況
(1)5月26日(木)、難波駅 23 時 14 分発特急りんかん橋本行きとしての営業運転を終えたの
ち、入庫のため回送列車として小原田車庫まで運行しました。
(2)小原田車庫に到着後、車庫内の構内運転士と車両の運転を交代しました。同構内運転士は、
留置番線へ車両を移動させるため入換信号機の進行信号を確認し車両を動かすところ、停止
信号の現示であるにもかかわらず車両を動かし、前方の転てつ器が正当方向に開通していな
い状態で進入し、転てつ器を損傷させ停止しました。
(3)その後、同構内運転士は当該転てつ器が損傷していることに気が付かず、元の停止位置ま
で動かそうと車両を退行させました。
車両は、当該転てつ器が損傷していたことで、難波方面から3両目(30101)、4両目
(30002)の一部の車輪が脱線しました。
なお、本事象によるケガ人はおりません。
原 因
構内運転士が入換信号機の進行信号を確認せずに車両を動かしたことに加え、転てつ器が損
傷しているにもかかわらず、車両を退行させたため。
原因も発表されています。
運転士が入換信号機を冒進して、車両を進行させた上、転轍機を割って入った。その上で列車を対抗したとされ、その際に、泣き別れ脱線したと思われます。
この列車は、車庫線の12番線から3番線へと入換作業を行っていたという情報があります。
信号の現示を確認、或いは無視した際の侵入は「信号冒進」といい、脱線した運転士は、脱線したポイントの信号を冒進した結果脱線したということです。
さて、今回の「停止信号」というものですが、所謂駅を出発する時に確認する出発信号機とは違い、今回は「入換信号機」と呼ばれる信号機の停止信号を冒進したのかと思われます。
ちなみに「入換信号機」はどんな信号機かと言うと
入換信号機 編集 車両基地や駅構内などで入換作業を無誘導によって行うために設けられる信号機。運転用語としては「入信」(いれしん)と呼ぶ。停車場間を運転する列車には使われない。入換信号機は防護区間を持ち、その防護区間には軌道回路が設けられる。旧「鉄道運転規則」では入換信号機が進行現示の時は45km/h以下で運転するよう定められていた。 Wikipediaより
と、言うことで停車場間では使われないのですが、今回ののように車庫線はよく使用されますが、例えば駅構内でも旅客のいる1番線から車庫線に入る時にも使用されたりと意外と身近でも入換信号機を見ることができます。
入換信号機の形や見た目ですが、


上に写真のように、1番上写真の現示が停止、下の写真が進行の現示で、会社によっては、3つある灯の内右下の灯の色が他の灯と同じ「オレンジ色」の場合があります。
今回に場合は、右下の灯が「オレンジ色」ですので、停止現示の際に赤灯になるというわけではないようです。
今回の事故があった車庫線には、入換信号機に対するATS(自動列車停止装置)が設置されていたようで、恐らくですが、信号機を冒進した際にATSが動作したはずなのですが、運転士が動作後ATSを復帰させて侵入させたのでは無いのかと思います。
その結果、開通していない転轍機に進入して、転轍機の振り分け部分を割り、異常に気づいたので後退したと思われます。そして車両が元いた線路と違う番線の線路に進入して「泣き別れ脱線」をしたのかと思われます。
本来ならば、ATSが動作した時点で、指令に報告するものです。
さらに、後退しているということから絶対に転轍機を通過した際に異常を感じたはずにも関わらず、それも連絡しないで独断で後退した結果今回の事故に至ったと思われます。
完全に運転士の確認と、判断ミスです。
入換信号機を冒進した場合、恐らく殆どの会社では懲戒処分の対象となります。厳しければもう運転も出来なくなるでしょう。そういう恐怖からこのような判断に至ったのか分かりませんが、今回の結果から会社にいるのだって厳しくなるのかなと思います。
色々ツッコミたいところはあるのですが、冒進した時点で運輸指令などが気づくのではないのかなとも思いますし、1度くらいのミスならという言葉もありますが、これはそんな生易しいものでは無いと思います。
何はともあれ今後もっと詳しいことがわかってくるかと思いますので今後の情報を待ちたいと思います。
最後に、今回の事故についてよく分からないという方もおられると思いますが、YouTubeには今回の事故とほぼ似たようなシチュエーションの動画がありますのでぜひご覧になればと思います。