2021/05/29

5月22日にJR東日本の水郡線で車掌が駅に置いてきぼりになったということがありました。
ネットニュースによれば
郡山発水戸行き上り列車の運転士が、車掌を乗車させずに列車を発車させた。運転士は瓜連駅に到着時、ドアが開かなかったことから、車掌が乗車していないことに気付いた。

という事で、運転士は次の駅でドアが開かないことに気づき車掌がいないことがわかったそうです。
この水郡線は、ほとんどの列車でワンマン運転を行っているそうです。ワンマン運転と言うのはご存知の方も多いかと思いますが、車掌が乗務せず、運転士が一人で列車の運転の他に、車掌の本来行うドア操作や無人駅での集札業務を行う列車のことを言います。
Wikipediaによれば
全区間でワンマン運転を実施しており、ワンマン列車は1両または2両編成で運行されるが、休日を中心に増結があり、時刻表に「ワンマン」と書かれていても実際はワンマンではなく車掌が乗務していることがある(ツーマン運転)。また、ワンマン列車でも車掌のネームプレートを付けた乗務員が乗車することがあるが、この場合、車掌は切符の販売、安全確認、乗り換え案内放送などを行い、ドアの開閉は運転士が担当する。車掌乗務のワンマン列車の場合、車両がワンマン運転が困難なぐらい混雑するとワンマン運転を取り止めることがある(旧来の車両はドアが片面に2つしかなく、そのドア付近に乗客が溜まりやすいのも一因であった)。この場合、取り止めた駅からは通常の列車と同じになりドア扱いを車掌が行うため、無人駅でもホーム側の全ドアが開くようになる。なお、中央のドアは、無人駅では乗降扱いを行わない。

という事で、車掌が乗務している場合もあるとあります。
では、なぜ今回運転士が車掌を置いて言ってしまったのかですが…
Wikipediaには、車掌が乗務していてもドア操作は運転士が行う場合もあるとありますが、ネットニュースの次駅で運転士がドアが開かないことに気づいたとあるので、恐らくドア操作は車掌が行っていたと予想できます。
列車は、基本的に意図的にドアが空いていても列車を動かせるスイッチを入れてたりしない限りは、列車のドアが閉まらないと列車が動かない仕組みとなっています。
ですので、置いていかれた車掌は、ドアを閉めるところまでは行ったかと思います。
ニュースでは、車掌がホームに出て旅客の精算処理を行っていた中で置いていかれたともありましたので、ドアを閉めた後に精算処理を行っていたのかと思われます。
運転士は、「運転士知らせ灯」と呼ばれるランプの点灯だけを見て発車したのかと思います。
運転士知らせ灯ですが、これも基本的にドアが閉まれば点灯します。
通常の列車のように車掌の乗務する所謂ツーマンであれば車掌がドアを閉めて、運転士が知らせ灯のランプと車掌の合図ブザーを聞いて発車します。
JR東日本ではツーマンでも発車合図のブザーは省略するそうですが、聞いた話では今回の水郡線のように気動車の場合は合図ブザーを送ることとなっていたそうです。
ということは、運転士は合図ブザーを聞かずに知らせ灯だけ見て発車してしまったか、車掌がブザー合図した後に列車から降りたかという事になりますが
運転士が車掌から出発の合図を受ける前に発車したことが原因
と公表されているので前者が原因ということがわかりますね。
こういう間違いは起こりうる事なのかと言うと、実際にはあまり聞かない事です。
ですが、普段ワンマン運転を行っている路線の運転士では話は別で、先述にもありますが、ワンマン運転の場合殆どは運転士知らせ灯だけで列車を動かします。車掌が乗っていないので発車合図のブザーが無いわけです。
そういうのが当たり前の中で、たまに車掌が乗務をするとやはり知らせ灯だけの発車に慣れてしまってこのようなミスに至りやすいのかなと思います。
