2021/05/29

一時的にですが、ツイッターのトレンドに「ホームドア」と言うのワードがありました。
また、ある人身事故のネットニュース記事のコメント欄も見てみたのですが、人身事故に対して鉄道会社を責めるかのようなコメントやツイートが多々あって驚きました。




勘違いしている人が多いのですが…
まず駅から自ら線路に飛び込み列車と接触した際の人身事故は「鉄道会社が意図的に起こしている」訳では無いです。当然ですよね。
もちろん鉄道会社は、お客さんの安全を第一に輸送業務を行っているわけであるのですが、それは設備や運転に関して鉄道会社がお客さんに危険な目に合わせたりしないと言う、鉄道業務に関して鉄道会社が安全を保つということで、自ら事故に持っていくような予測不可能な自体には対応できません。
もちろんホームドアがあれば、人身事故は一定数減らすことができます。例えば自らの飛び込みが全ての接触事故という訳ではなく、誤ってホームに転落した事案や身体障害者の方が列車の連結面の隙間に転落してしまうと言う事案もあり、そういう事故を減らすことができます。
ただ、ホームドアに関して批判している人達は、どちらかと言えば人身事故の発生に関してでは無く、単に列車の遅延や運休に対して「時間を返せ」「別の交通手段を使った分の金を返せなど」自らの鬱憤を鉄道会社に当て付けるような感じに見えます。ちなみに運賃は目的地が到着する分を担保にしているのであり、時間までは面倒を見ていません。
ホームドアがあれば絶対的に事故がなくなったり、ホームドアがあることにより列車の遅延が無くなるということは決して無く、ホームドアは健常な大人であれば乗り越えることが出来ますし、覚悟を決めている人ならホームドアがあっても線路内に入ることは可能です。
また、ホームドアも機械ですので故障することもあります。まあこの場合は、メンテナンスは鉄道会社側にも責任があるかもしれませんが、どちらにしてもホームドアが故障すれば確実に列車が遅延してしまうでしょう。
そしてなにより、ホームドア設置には多額の初期投資費用と維持費がかかります。
ホームドア設置関して運賃値上げを発表する会社もあるくらいです。
ヤフコメでは、国が鉄道会社を指導しろとか、免許取り消しにしろ!など訳の分からないコメントが多いですが、仮に指導したところで設置するお金が無いと設置することが出来ないのは当然です。
また、設置に関してどのようなホームにも設置できるという訳ではなく、ホームの耐久度(ホームドアの重量などにより)もないと行けません。鉄道車両もホームドアに合わせたドア位置にある程度は揃える必要があります。関東圏から6ドア車両が無くなっていたのはその為です。
また、ホーム数の少ない郊外では同じホームに特急用車両や通列車に使う一般的な車両まで様々な車両が同じホームに入ります。ドアの位置や数が全く異なる場合、車両の編成数が違えばホームドアの設置は難しいかと思われます。

あるサイトには上記のようなことが記されています。
初期費用には数億から数十億の費用に加え、ホーム一線当たり年間300〜2000万円かかるとあります。
先程も述べた通り、ドアの位置や編成数の違いもホームドアの対応が難しいこと。
これらが理由で中々全ての駅に設置できないことの理由かと思います。
私個人の予想ですが、田舎の鉄道会社の駅ホームにまでホームドアが設置完了するまで100年あっても恐らく無理なのではないかなと思います。
最後になりますが、鉄道会社が原因の事故でなければ、接触事故などが原因の遅延や運休が発生した場合には、鉄道会社を責めるというのはやめるべきです。好きで遅延などを発生させている訳ではなく、現場では救護活動や警察の検分が行われていたりと大変な思いをしている乗務員や駅員もいることを忘れてはなりません。