現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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上司を困らせようとした駅員…自ら切りつけた

time 2022/04/21

上司を困らせようとした駅員…自ら切りつけた

今年の2月14日、養老鉄道の駅員が切りつけられて怪我をした事件がありました。

当時は、何者かが駅に侵入して休憩室にいた駅員が切りつけられたと思われましたが、実際には自ら切りつけたそうです。まあ自作自演という所でしょうか…

その事実がわかったのは比較的早かったですが、理由はなんだったのかなと思ってましたが、今日その事件の初公判があったそうです。

岐阜県の養老鉄道大垣駅で「切りつけられた」などとうそを言い、同鉄道の業務を妨害したとして、偽計業務妨害罪に問われた大垣市、同鉄道契約社員の男(33)の初公判が20日、岐阜地裁大垣支部(大畠崇史裁判官)であり、男は起訴事実を認めた。検察側は懲役1年を求刑して結審。判決は5月9日に言い渡される。 起訴状では、男は2月14日午後1時頃、同駅構内で上司に「切りつけられた」などとうそを言い、警察に通報させるなどして、同鉄道社員らの業務を妨害したとしている。 検察側は冒頭陳述で、男は今年3月に運転士の試験を控え、焦っていたと主張。さらに、勤務態度を注意され、虚偽の傷害事件を起こして上司を困らせようとしたと述べた。 論告で検察側は「周辺住民や駅の利用客などに多大な不安を与えた」と強調。弁護側は「一定の社会的制裁を受けた」として、寛大な判決を求めた。

ということで、裁判では本当に色々わかるものです。

この駅員の人は、運転士の養成試験の予定があったみたいです。それに加えて上司に勤務態度について注意を受けていて、困らせたかったそうです。

おそらく自分をきりつけた駅員は、この採用で働いていた人かと思われます。近鉄の養成所へ行き、運転士になるまでは契約社員。そして運転士発令後に正社員登用だったのでしょう。

ここからは私の想像になってしまいますが、運転士の養成と言うのは列車の運転士になりたい人間にとっては、ストレスもあるでしょうが楽しみというか、少しワクワクするものだと思います。しかし、望んでもない養成ならば嫌で仕方ないという程では無いですが、私なら避けたいものです。

養成の内容や過程をどこまで知っていたか知りませんが、動力車操縦者養成と言うのは正直生半端な気持ちじゃ出来ないですし、厳しく教育を受ける場であります。会社や師匠によっても異なりますが、中には軍隊並みの厳しさという人もいます。

しかし、もしも上の画像のように「運転士候補」で採用されていたのならば養成に入ることはわかっていたはず。それもあってピリピリしていたのかもしれませんが。

上司の厳しい態度もきっと運転士になるためにしっかりさせないといけないという気持ちもあったでしょう。もちろんパワハラになるような叱責はダメですが、正しい注意や厳しさならそれは耐えないといけないと思います。

もちろんその考え方には賛否両論あるでしょう。

しかし、養成所へ入ればもっともっと厳しい日々が待っているわけで、勤務態度くらいしっかりしてないと運転士になんてなれるわけが無いのです。時間も守り、お客様を安全に目的地に運び、異常事態があれば自分で対処しないといけないですから。

少なくとも運転士の養成の機会を与えられたということは、会社が運転士にさせてあげれると判断したということです。そう出ない場合は、試験すらうける機会がありません。まあ試験に落ちるというパターンもありますが…

上司を困らせたかった…そして会社に大きな迷惑をかける時点で運転士には向いていなかったのでしょうね…いや社会人としてダメだったのかなと思います。

本当に困ったら、外部の期間に本気で相談しましょう。きっと小さな会社なのでなかなか相談も難しかったと思いますが、意外と相談を受ける場所というのはあると思います。

今回の事件は、詳しい内容はメディアの発表以外わからないのでなんとも言えませんが、駅員の人を擁護することはないですし、運転士には向いてなかったと思います。

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densei

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