2021/05/29

みなさんこんにちは!
先日Twitterのタイムラインに流れてきたあるニュースが目にとまりました。

富山地方鉄道では、4月より鉄道、路面電車、路線バスなどの通勤定期の料金が値上げされる予定でした。

しかし、鉄道と路面電車の定期券に関して、運輸局の認可が必要で、富山地方鉄道はそれを受けていなかったか、何らかの不備があったために値上げを延期することとなりました。
そもそも鉄道などが運賃を値上げする際に必要な手順とはどのようなものか、気になったので調べて見ました。
あるサイトにはこのような記述がありました。
鉄道の運賃と料金は、それぞれ決め方が異なっている。運賃は、人または物品を運ぶことに対する対価ということで、上限認可制としている。事業者はあらかじめ国土交通省に上限価格を申請し、その申請が降りたところで、どう運賃を値上げするかを決める。実際には申請の際にどう値上げするかを決めておくところが多い。能率的な経営のもとで、適正な原価に適正な利潤を超えないものであるかを審査する。 なぜこのような制度になっているかといえば、支払わなければ鉄道輸送の利用が不可能であり、不当に高額な料金を強いられる可能性があるからだ。
という事で、運賃の値上げには認可や審査が必要らしく、事業者だけで簡単に運賃を値上げできないようです。
鉄道営業法の16条にも運賃について記されています。
第十六条 鉄道運送事業者は、旅客の運賃及び国土交通省令で定める旅客の料金(以下「旅客運賃等」という。)の上限を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
・国土交通大臣は、前項の認可をしようとするときは、能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたものを超えないものであるかどうかを審査して、これをしなければならない。
・鉄道運送事業者は、第一項の認可を受けた旅客運賃等の上限の範囲内で旅客運賃等を定め、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
・鉄道運送事業者は、特別車両料金その他の客車の特別な設備の利用についての料金その他の国土交通省令で定める旅客の料金を定めるときは、あらかじめ、その旨を国土交通大臣に届け出なければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
・国土交通大臣は、第三項の旅客運賃等又は前項の旅客の料金が次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、当該鉄道運送事業者に対し、期限を定めてその旅客運賃等又は旅客の料金を変更すべきことを命ずることができる。
一 特定の旅客に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
二 他の鉄道運送事業者との間に不当な競争を引き起こすおそれがあるものであるとき。
ですので、鉄道会社は予め運賃の上限を決めて、それを国交相(運輸局)に提出した上で運賃改定の審査を受ける必要があった、ということでしょうか…
バスだけが適用されたのはバスと鉄道で運賃値上げの手続きに関する部署や担当者が違ったためかなと考えられます。
あとバスは鉄道事業法とは別だったからという可能性もありますが、路面電車も軌道法なので鉄道事業法とは違いますね…
まあ、お客様には値上げ分を返金しているそうですが、値上げは中止になった訳では無いそうですのでお客様にまた値上げの定期代をいずれ請求する事になるでしょうが、こういうことがあっては鉄道会社に対する信用もさがりますし、会社側もまた苦労しますので、今後はこういうことがないように気をつけて欲しいものです。