2021/05/29

みなさんこんにちは!
まずは以下のツイートの動画をご覧ください。
ツイートにもありますが、ドアが空いている状態で列車が動いてますよね。
何故こういうことになるのか、実際見た訳ではありませんがこういうことになる可能性はどの電車にもありますので解説したいと思います。
まず電車というのは、ブレーキを「緩解」状態にすると、車輪が制輪子などから離れる状態となり勾配がある箇所では動いてしまいます。
わかりやすく言えば、ニュートラルの状態にした車をブレーキを踏まずに放置している状態になります。
ですので極端に言えば、車がニュートラルの状態で数人がかりで押せば動くように、電車にも大人数の力を使えば動くということになります。
ツイートにある「名古屋港駅」が勾配のついている駅かどうかは調べてみた上でもわかりませんでしたが、恐らく運転士が駅の停車中にブレーキを完全に緩解にしていたことが原因かと思われます。
ちなみに緩解状態にするには特段作法があるという訳ではなく、電気指令式のワンハンドルであれば、「N」位置に、電気指令式のツーハンドル車や電磁直通ブレーキの車両では緩め位置まで持っていけば完全に緩解します。
ドアが開いているのにも関わらず動くシステムになっているのか? というコメントもありましたが、基本的に、ドアが閉まった状態になれば「運転士知らせ灯」というランプが光って列車を動かすことが出来ます。
ですが、動かすと言っても「力行」させることが出来るようになるのであって、ブレーキが緩解していればドアの開閉関係なく勾配の向きにそのまま動いていってしまいます。
ですので、運転士の意思で「力行」させるにはドアが閉まっていなければいけませんが、無意識などによりブレーキが緩解していれば、上記の通り開閉関係なく列車は勾配の方向に向かって自然に動いてしまいます。
列車を留置する時に「手歯止め」を使用するのも、万が一無人状態でブレーキが緩解状態になって動き出さないようにするためであります。
これらの動画が参考になるかと思います。
手歯止めをしてなかった場合、勾配だけでなく、強風によって列車が風圧に押されて動く可能性もあるみたいです。
最後になりますが、ツイートの主の発言的に、遅れているからドアを開けたまま走らせようと…と思われる部分もありますが、動画を見る限り、運転士の操作ミスというのが一番の原因で、動画を見る限り完全に事故案件かと思われます。
この電車がこの後どうなったか、乗務員がどうなったか知りませんが、本当に気をつけて欲しいと思いました。