2021/05/29

先日、JR北海道の保守用モーターカーがブレーキが効かずに下り勾配を走り続けたということがありました。
今日の社長の発表では、「ブレーキシリンダー装置が、正常に動作する範囲内に調整されていなかった」「制輪子を十分に押し付けられなかった」とありました。
まあどういうことかと言うと、列車っていうのは全てでは無いですが、基本的に車輪に制輪子という部品を車輪に押し当てて止まる仕組みになっていて、ブレーキシリンダーというのは制輪子を押し当てるために必要な装置です。
詳しいことは、ネットで調べればすぐ出ますし、踏面ブレーキの台車なら制輪子もブレーキシリンダーも見れるかと思いますのでぜひ。
で、話はそれましたが今回起きた事故はブレーキシリンダーの調整がちゃんとされていなかったため、恐らくブレーキを込めた時にブレーキシリンダーが動いて制輪子を車輪に押し付ける中で、その動く範囲が小さかったりした結果、ブレーキシリンダーは動いたものの制輪子が車輪に届かない状態、実質ブレーキを緩解したのと同じ状態だったのでは無いのかな?と思います。
そしてJR北海道の社長は他にも「当面の間軌道モーターカー135台とミニホキ57両を使用する作業を一時禁止し、作業を再開する場合は、走行前にブレーキの動作確認や装置の目盛りの確認をルール化し、再発防止に努めるとしています。 」と言っていました。
ルール化されてなかったのはちょっとびっくりで、今回の場合は保守車ということで通常のお客様を乗せる営業の車両と点検項目が違ったのかも知れませんが、基本的に列車を動かす前に行う「出区点検」という項目には、各スイッチの点検や床下点検だけでなく、起動試験や制動試験も必ずやりますし、目視でわかるかわかりませんが台車のブレーキシリンダーと制輪子を指差しで確認する会社もあります。
今回の件は、点検してわかるものかどうかはわかりませんが、少なくとも出区点検ではメーターは見ますし、ブレーキシリンダーが調整されてないならMAXにブレーキを込めた際の値が正常な数値で出るかもしれませんが、床下の台車を見れば制輪子が車輪についてないのは確認できたと思います。そうじゃなくても起動試験でおかしいってなると思うのですが…
まあ実際そうならなかった可能性もあるのですが、ルール化されてなかっということで本線を走行するまで全く確認しなかったのかなと思いました。