2021/05/29

沿線の人口減少などで経営難が続く弘南鉄道の弘南線と大鰐線を巡り、青森県弘前市は、沿線5市町村による計約9億5000万円の支援計画を公表しました。
特に経営が厳しい大鰐線については、収支改善が見込めない場合に2025年度末での廃止を含めて協議します。
弘前、黒石、平川、大鰐、田舎館の5市町村が21年度に支援を開始し、弘南線が10年間、大鰐線が5年間の支援を見込み、内訳は、設備修繕や更新に充てる安全輸送対策費が5億9000万円、定期券の割引などに使う利用促進費が1億3000万円、二つの支援でも黒字化が見込めない大鰐線には、さらに2億3000万円を支出します。
沿線の高校に通う学生らが利用する弘南鉄道は慢性的な赤字経営に陥っており、2013年には弘南鉄道が大鰐線の廃止を発表。
周辺自治体などからの求めに応じ、撤回した経緯があります。
2019年度は約6590万円の赤字を計上、2020年度も新型コロナウイルスの影響で乗客が減少しており、2007年から国、県が行っている安全輸送対策費の一部補助に加え、弘南鉄道が負担してきた補助対象外の経費に5市町村が新たに援助しながら経営再建を目指すことになりました。
大鰐線については、2023年度末時点で2019年度と比べ約2000万円の増収を目指し、計画通りに進まなければ、廃止の可能性も視野に協議する予定です。