2021/05/29

この時期、特に雪の降る地域では電車の運転に耐雪ブレーキというものが欠かせなくなります。
耐雪ブレーキというのは全国全ての電車にある訳ではなく、路面電車や雪の降らない地域の電車にはないと聞きます。
耐雪ブレーキとはどのようなものか?
車みたいに何かの部品を交換する、制輪子を冬仕様に変えるとかでは無く、実は耐雪ブレーキは既に電車には備わっていて、大体の電車の運転台のどこかしらに、耐雪ブレーキのスイッチのツマミがあります。
そのスイッチをオンのすれば耐雪ブレーキが使われる状態になるということです。
では耐雪ブレーキをオンの状態にするとどうなるのか?
まず、耐雪ブレーキを使う基準は会社や運転士によって違いますが、雪が降ったから使う訳ではなく、レールの踏面に雪が積もった場合に使います。
と、言うのも耐雪ブレーキを使う理由は、制輪子と車輪の間に雪が入るのを防ぐ目的で使用するのですが、耐雪ブレーキが入っていれば、常にブレーキが少しかかっている状態、すなわち、制輪子が車輪にくっついている状態になります。
と言うことは、耐雪ブレーキを使うと、雪が制輪子の間に詰まらないということです。
ちなみに制輪子と車輪の間に雪が詰まると、空制ブレーキが効かなくなることがあります。
また、耐雪ブレーキを使うと弱い空制ブレーキが常に効いた状態となるので、加速が遅くなり、惰性でも速度が落ちていくようになります。
コメント
[…] 【電車の解説】耐雪ブレーキを使用するとどうなるのか? […]
by 積雪があると電車の運転感覚は普段と変わるのか? | 現役運転士による電車の知識と職場裏事情 2022年1月1日 12:08 PM