現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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11月2日 日記「回復運転の疲労」

time 2020/11/03

11月2日 日記「回復運転の疲労」

またまた日が変わってしまいましたが、昨日の汚客様からのクレームを受けて、回復運転について今日は考えてました。

回復運転とは、遅延時になるべく、定時の時間に電車の運行時刻を戻す運転のことだと私は思っています。

この技法は、新人運転士にとっては難しいやり方であり、普段はすべきでない運転方法です。なぜなら、安全性が通常時より減るから。乗り心地が普段より悪くなるから・・・

そもそもどうやってやるの?って話なんですが、、、私のやり方です。

たとえば、駅間には必ず区間の最高速度が設定されています。これは、制限速度や転轍機の通過速度、そして信号機の現示に対する速度とは別です。

普段は駅に間に合う程度余裕を持った速度で運転します。だから80km/hの設定速度のところで60km/hくらいで走ったり・・・駅の到着時刻もそれなりに余裕をもってあるので、わざわざ早着もさせることもなくのんびり運転します。

そこを遅延時にはMAXの80km/hで走行するのが回復運転です。

しかしながらこれなら新人でもできるのでは?と思いますよね。

でもできないんです。今は時間より安全を会社が意識させる指導をするから。しかし、現場の人間は裏では定時でいけ!と思ってますし、時間を気にするお客様は大体安全を無視してでも急ぐよう思っているのです。

それと単に速度を出せばいいというわけでもなく、速度が速いだけ慣れてないと、速度が怖くて早くブレーキをとってしまい、結局は60km/hと余り変わらなくなってしまいます。

重要なのは、区間速度を上げつつ、車両の癖を見極め、極力ブレーキ時分を短縮させる。すなわち駅に突っ込んで止めることで普段以上の早い時間で走行ができるわけです。

もしこれを新人が無理してやるとオーバーランにつながったります。

そして車両によってもブレーキのくせは違います。

同じ形式でも全く違って、この場所からブレーキを取れば止まれる電車もあればそう出ないのもあります。不思議ですが…

まあ遅延の原因はゆっくり運転してるか旅客対応、もしくは機器故障などのトラブルの原因がほとんど…クレーマーの文句を聞いてる間にも遅延は発生するので、できるだけそうならないように、お客さんには協力して欲しいものです。

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densei

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