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転轍機(ポイント)故障 暑さで壊れるの?

time 2020/08/16

転轍機(ポイント)故障 暑さで壊れるの?

みなさんこんにちは!先日Twitterのタイムラインで見かけて知ったのですが、西武鉄道拝島線という路線でポイント故障があったと見ました。結果、分岐器手前の信号の機外で停止したと見ました。その後のことはさておき、なぜこのような故障が起きるのか?そもそも転轍機・ポイントが故障する原因とは何か紹介していきたいと思います。

まず、大まかにですが転轍機には、電気転轍機・手動転轍機・発条転轍機というものがあります。会社によっては、名称が違うかもしれませんし、細かく言えば種類はまだあります。詳しくはウイキペディアで転轍機をご覧ください。

簡単に説明します。

電気転轍機は、モーターによって自動で動きます。制御盤のテコ、PTCなど導入している路線なら自動制御で転轍機が動くシステムになってます。ちなみに、故障時はどれも手動で動かせるようになっています。

手動転轍機は名前の通り手動で動かすもので、私は営業線で手動転轍機というのはあまり見たことはありませんが、鉄道の車庫内など今でも手動転轍機を使用している会社は少なくはないと聞きます。もちろん大手さんでは数はだいぶ減ったとは思いますけど…

発条転轍機は、通称ばね付き転轍機とも呼ばれ、転轍機を反位側から割り出して通過することができます。ちなみに割り出した後は、ばねなどの力によって、割れている反位の状態から定位に戻ります。もちろん発条転轍機以外の転轍機で同じことをしたら、転轍機が壊れてしまいます。一見原始的で便利に見えますが、割り出している分、転轍機のレールにはだいぶ負荷がかかっているみたいで、大手では低速の区間でしか使わなかったり、電気転轍機に変えたりしているそうです。

こんな感じで色んな種類の転轍機がある訳ですが、この時期転轍機が故障、ポイントが故障というニュースをよく見かけます。もちろん私のところもよくこの時期おかしくなるのですが、何故なのか紹介していきます。

まず、他社さんの故障原因を全て見ているわけでないのでその辺は大目に見てください。

転轍機に限らず、レールというのはご存知の方も多いとおり、暑さでレールが膨張します。寒いと縮み、暑いと伸びます。それは転轍機にも同じことが言えます。転轍機のレールが膨張すると、詳しい原理はうまく説明出来ないですが、うまく密着しないことがあります。密着しないと、軌道回路が構成されず、出発、或いは場内信号が現示されません。それが原因で先日の場内信号手前で電車が立ち往生すると言ったことが起きるのです。

そのようなことが起きた場合、どのように対処するのか?

わざわざレールを交換なんてしません。(聞いたことがないだけですが…)

いろいろな方法があると思いますが、そのうちの一つにレールを冷却する、というのがあります。わざわざ氷で冷やす。というのはしませんが、レースに水をかけて少しでも膨張を抑えるという事をする会社もあります。あと予防として融雪設備がある箇所では散水することによって熱を抑えたりするところもあります。

とにかく、膨張を抑えないと、転轍を密着させないことには電車は動かせない、信号も出ないので、猛暑日は鉄道会社は非常に苦労をするわけです。

ということで、この時期転轍機不良による乱れの原因の一つを紹介しました!

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densei

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