現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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あえて脱線?安全側線とは?

time 2020/07/22

あえて脱線?安全側線とは?

みなさんこんにちは!みなさんは単線区間の路線の列車に乗車したことはありますでしょうか?単線区間にはいくつかの駅で列車がすれ違えるように、行き違い施設(駅)があります。その駅があることで、列車がすれ違うことができ、また、その路線に複数の列車を運行することができます。ですが、もしすれ違いの時に、列車がオーバーランしてしまったら・・・そうなったら正面衝突などの事故が発生する可能性があります。そうならないために安全側線というものがあります。今日は安全側線について紹介します。

安全側線とは、単線区間の行き違い施設(駅)において、同時に侵入した際、列車が本線側に冒進しないように、本線との分岐器の手前に分岐器を設置し、冒進した列車を本線側に行かせないようにさせるものです。安全側線側に列車が行くとその先には、車止めや砂利などがあり、列車を止めるものが設置されています。

もし安全側線が設置されてない、行き違い施設の無い駅では、列車を同時に進入させることはできません。ですので例えば上りがA列車、下りがB列車で例えると、A列車がY進入で駅に進入しているときは、B列車は場内信号R現示で場内信号の外方で停車して、A列車が駅に入るのを待つことになります。ただし、鉄道運転規則第69条。過走による相互支障のおそれがある場合は、原則として停車場内に同時に進入または進出することは禁止されている。しかし、安全側線の設置や、警戒信号の現示などにより同時進入ができる。とあり、YY現示であれば同時進入可能とあり、実際にはすべての行き違い施設に安全側線があるというわけではありません。安全側線がある場合は、その副線の出発信号がG現示など出発を指示する信号が出ない限り、安全側線と本線との分岐器は安全側線側に向いてます。

ただし、仮に安全側線にある、行き違い施設の駅で列車が冒進した場合、その速度にもよりますが、衝突、脱線などの事故につながります。実際に過去には安全側線へ冒進後の事故事例があります。

もちろん、低速度で、運転士が冒進に気づき、停止できるくらいの側線の距離があれば、十分な安全なシステムになりますが、中には安全側線の距離が短く、速度が速かったために、車止めに衝突したり、砂利を乗り越え大きく脱線の可能性もあります。

安全側線は、当然のことながら、通常は列車が入線することが想定されていないため、仮に入線してしまった場合、大きな事故が発生していなくても、重大インシデントとして、国土交通省の運輸安全委員会による事故調査の対象になります。きっとそんなことがあれば、全国とはないかもしれませんが、そこそこのニュースになると思います。もちろん安全側線に行かないことが一番ですけどね!

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