現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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7/9日発生 東武鉄道のドア誤開扉についての解説

time 2020/07/10

7/9日発生 東武鉄道のドア誤開扉についての解説

みなさんこんにちは!令和2年7月9日、東武鉄道の社線内にて運転士の操作ミスによるドアの操作ミスにより、ホームと反対側のドアが開く事象がありました。

詳しくはこちらの公式発表の資料が出ているツイートをご覧下さい→https://twitter.com/tetsudo_release/status/1281157992398745600?s=19

尚、発表の内容では、車掌がホーム側のドアを開扉に操作したあと、運転士は本来折り返し作業をするため、ホーム側のドアを開扉に操作するところ反対側のドアが開いた。となっております。

この発表の内容、もしかしたら乗務員ではない人にとっては意味がよく分からないのでは?と私は思いました。と、言うのも車掌と運転士が乗っている、いわゆるツーマンの電車というのは、基本車掌がドア操作をします。その状況で今回は運転士と車掌2人が操作したとなっておりました。みなさんはどういう意味かわかりますでしょうか?

細かく解説していきます。まず、今回の発表の中に「折り返し作業」とありました。折り返し作業と言うのは終点で列車が折り返すとき、または駅でスイッチバックする際に行う作業を言いますが、今回のように折り返し駅で、お客様の乗降をさせながら、列車の進行方向を変える時、別の言い方をすると、車掌のいる位置を変える時はドアスイッチを先頭車と最後部の車両のドアスイッチを開扉状態にしなければなりません。

例えば、終着駅に到着して、お客様を全員降ろしたあとドアを閉めて、車掌が反対側の運転台へ移動して、その運転台でドアスイッチを開扉にすれば、運転士はドアスイッチを触ることはありません。しかし、今回の場合、前述の通り乗降させながらの作業でした。

ではなぜ乗降中の場合運転士もドアスイッチを操作しなければならないかということですが、まず、車掌が最初に乗っていた運転台でドアを開扉にするとします。そしてその駅で折り返して進行方向が変わるとして、進行方向が変われば運転士は車掌のいた乗務員室へ来ますし、車掌は運転士のいた乗務員室へ行かないといけないのですが、ドアを開けたスイッチというのは運転士がいる所にありますので、車掌が先程運転士のいた乗務員室へ行ってもドアを閉めることはできません。そしてまた、運転士もドアを先頭車で閉める訳にも行きません。その場合に、運転士が予め折り返し駅に着いた時にドアスイッチを開扉にしておくことで、両方の運転台でドアスイッチは開扉状態になります。車掌が乗務員室を移動する際に、車掌が開扉を閉扉にすれば、反対の運転台が開状態ですのでドアは閉まらず、移動し折り返しの乗務ができるというわけです。要はどちらかの運転台のドアスイッチが開扉であれば、両方の運転台が開扉になってる状態でも片方が閉扉になったとしてもドアは閉まらないわけです。

ちなみに運転台には列車の方向(動く方向ではなく進行方向)を選択するドラムスイッチと言うのがあり、運転台を覗けば前、中、後とあるスイッチがあると思うのですが、仮に後を選択している運転台でドアを開扉にしてあるとして、それを前にすると、ドアは閉まってしまいます。ドラムスイッチを後にした状態でしか、基本的にですが、ドアはあかないようになっているのです。ということは、今回の件で言うと、運転士がドア操作をせずにそのまま反対の運転台へ行き、その運転台で車掌がドアスイッチを開扉状態にしているのに気づかないままドラムスイッチを前位置にするとそのままドアが閉まってしまい、ドア生涯の元となるのです。また、今回の例は、運転士がホームの無い側を開扉にしましたが、基本、後方などを見て開ければ反対のホーム側を開けることは無いのです。今回の件は結果は出ていませんが、運転士の注意不足といったところだと思います。

沢山描きましたが、わかりずらければ、ウィキペディアや知恵袋にもこのような内容の記事がありますので調べてみてください。

それでは!

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