現役運転士による電車の知識と職場裏事情

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運転士の学校「動力車養成者養成所」とは?④(技能試験編)

time 2020/06/19

運転士の学校「動力車養成者養成所」とは?④(技能試験編)

こんばんわ!今日は一日のんびり過ごしていました!最近油ものばっかり食べてて胃の調子が悪いですが・・・

さて、今日は技能試験編ということで、試験から免状交付までの流れについて記事にしたいと思います。

前回の記事では技能講習についてあげましたが、技能講習を数か月行って最終的に技能試験、修了試験とも言えますがこれが最後の最後にくる試練となります。

内容としては、出庫点検、距離目測、運転試験、あとは故障時の応急処置、事故時などに対する非常処置、等々で会社によって違うところもあるかと思いますけど、基本このような試験が必ずあります。一つずつ解説してきますね。

出庫点検・・・名前の通り、出庫時の点検、車でいうとやってる人は少ないと思いますが教習所で習う言い方でいうと車を動かす前にボンネット開いて車の床下をみて~問感じで電車は出庫時必ず点検を行うのでそれに対する試験をするわけです。点検を試験?と思われる人もおられるかもしれませんが、試験の中では一番くらい難しい試験で、なん十か所もの点検項目を順番通りに、尚且つ決められた時間内にしなければなりません。その中には床下機器、客室、そして運転台。床下は蓋が空いてないか、客室なら消火器があるか、運転台なら空気圧は所定か・・・などなど言い出すときりがありません。さらに言いますと、決められた順にやればいい。というわけでもなく必ず不点箇所と呼ばれる、所定ではない状態の箇所があらかじめ設定してあり、それは試験前に伝えられません。なので、そういう箇所も見つけつつ点検を完璧にしなければなりません。

わかりやすい出庫点検の例です→https://www.youtube.com/watch?v=B7d9KfBOcaU

距離目測は名前の通り、目測で距離をあてる試験です。自分のいる位置から試験管のいる場所までの距離を目測であてるものですが、これは例えば踏切などで事故などがあったときに、現場ですぐに何メートル前で確認して、何メートルで停止したかなどすぐに聞かれたら答えられるようになるため、必要なものにになります。これ自体は練習とかあまり無いですが、例えで架線柱と架線柱の間は大体何メートルだから、架線柱何本分は何メートルだなぁみたいな感じで、架線柱自体、どこでも同じ距離の間隔であいてるわけではありませんが、目安としてそういう感じで合格点を目指します。

運転の試験は、前テレビでも放送されていましてその内容をそのまま言いますと、決められた速度内で運転できているか、運転時分は守られてるか(遅延や極端な早着はないか)、駅での停止位置は正しいか、あとは速度観測と指定速度に関する試験があります。速度観測というのは、試験官がランダムな場所で現在の速度を聞いてくるので即、現在の速度を答えるというものになります。また、指定速度というのは、~の区間で~キロで通過しなさいと事前か直前に言われるのでその速度で決められた場所を通過するというものです。これらは速度計をみれば余裕にできなくもなさそうですが、この試験・・・速度メーターはかくして試験を行います!!すごく難しそうに見えますでしょうが、意外にも、教習中に運転をたくさんしていれば、それほど苦な試験ではないのかなと私は思っています。

故障の処置は、ランダムに車両のどこかに故障カ所が設けられているので、それを探し出し、処置して起動できるようにする試験です。あまり詳しくいっていいのかわからないので参考の動画を載せておきます→https://www.youtube.com/watch?v=Cz1a0KqIqXw

非常時の処置は、例えば車とぶつかったみたいなことになったときにどう対処するかという試験になります。いきなり運転士になってそういう事態になった場合、最初に何をすればいいか、わからずうろうろしてたらお客様にも不安を与えますし、なにより運転再開に時間がかかってしまいます。ですのでそういう場合に備えて、警察を呼ぶタイミングや、お客様の安全を確保するなど、決められた手順に沿ってできるかを見ます。ただ、試験では決められたシチュエーションがありますが実際には時によって想定外というものもあるので基本的には臨機応変に動かないといけないのかなぁと私は思いますが・・・

一応、国で定められている試験ですのでどの会社も同じ試験をしていると思いますが、点検の手順や対応などは、その養成所ごとに違うみたいですのでちゃんとしたことは言えませんが、とりあえずこんな感じなんだなと思ってみていただければと思います。

これらの試験に合格して、数週間したら国から免状が交付されます。免状は一生もの。今までのつらさから解放される瞬間でもありますが、その先からは何かミスが起きたとしても守ってくれる人はいません。ここからが運転士としての本番だといますね!

では、動力車操縦者養成所についてはここで一旦終わりにしますね!

次この話をするときは、学科講習の問題を「運転協会誌」等をもとに出題してみる感じにしたいと思います!ではまた!

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densei

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